2010年11月19日

「任侠姫レイラ」と「プロレス甲子園」

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今、秋田書店は少年読者向けのプロレス漫画を2本「も」扱っています。
1つは週刊少年チャンピオンの「任侠姫レイラ」(作/梶研吾 画/米井さとし)、
もう1つは月刊少年チャンピオンの「プロレス甲子園」(秋好賢一)です。
野球やサッカーならいざ知らず、プロレスという今となってはマイナーなジャンルの漫画を
ほぼ同時期にスタートさせた秋田書店の意図は未だに見えてはいませんが、
この2作品の単行本が11月8日に同時発売されたので
せっかくだから語ってみようと思います。

任侠姫レイラ」は女子高生覆面レスラーであるレイラが行方不明の父親を探すため
各地のプロレス団体を巡り強豪と闘い、名を上げるお話。

プロレス甲子園」はこのブログで初めて紹介するのでもう少し詳しく説明を…
主人公「宝田正平(たからだ しょうへい)」は
小柄ながらも中学時代に県内ベスト4の成績を修めた柔道少年。
彼自身は努力家でマジメな性格ながら、とてつもない不幸体質に生まれてしまった為に
入学した高校で柔道部に入るはずが「プロレス部」に入部することに…。
プロレス部が目指すのは全国大会「プロレス甲子園」。
宝田は部長の「嘉門万丈(かもん ばんじょう)」に振り回されながらも
部活を通してプロレスとは何か、プロレスラーとは何かを少しずつ学んでいく。
そんなお話です。

2作品ともプロレスをテーマとしているのは同じですが、
その描き方はかなり違ってます。
その違いを端的に表すと「明と暗」でしょうか。
「任侠姫レイラ」は「プロレス甲子園」よりも先に連載が始まったものの
「プロレスにはブック(台本)がある」ということを前提に話が進む異色作。
そのため団体の財政事情や力関係といったドロドロした舞台裏が多く描かれています。
登場するレスラーも皆なんらかの事情や過去を背負っていて、
リング上での試合を通した悲喜こもごもの人間ドラマを
プロレスの醍醐味として描いている…というのがこの作品の印象です。

一方「プロレス甲子園」では
(実在団体の協力を得ているのもあるせいか)そういった裏事情的な描写は殆ど無く、
主に「強さ」や「個性の出し方」といった「プロレスラーらしさ」が強調されています。
部長の嘉門は特にそれが(やや間違った方向に)凝縮されたキャラクターで、
言うことやることがとにかくメチャクチャ。
コイツ1人で漫画のジャンルがコメディになるくらいの大バカ野郎ですw
ここらへんは秋好先生の代表作「香取センパイ」にかなり近いノリですね。
そのおかげでプロレスを知らなくても楽しめる、明るい作品となっているのが
「プロレス甲子園」の特徴と言えそうです。

明るく楽しい「プロレス甲子園」と比較すると
業界の裏側ありきな「任侠姫レイラ」はとっつきにくい作品と言えるでしょう。
正直言って自分も読み始めた頃は「勝敗があらかじめ決まっている」という部分を
敢えて強調して描いているのに抵抗がありました。
そういう見方をせずに純粋に試合を楽しめるのがフィクションの利点なのに
わざわざそっち側からプロレスを描く必要があるのかと。
しかし読んでいる内に慣れたのか
裏側があるからリングの上にストーリーが生まれる、というスタイルが
プロレスならではの面白さを独特な方法で生み出していると思えるようになりました。

そんな「邪道」な「任侠姫レイラ」ですが、
「プロレス甲子園」と共通している部分もあります。
それはプロレスへの想いを「愛」という言葉で表現していること。
やっぱり武藤敬司の影響なんでしょうか…
「好き」とか「楽しい」じゃなくて「愛」、
ここらへんが他のスポーツや格闘技と違う所かもしれませんね。
まぁ愛でもなければプロレスなんて観てられないしやってられないよ!正直言って!
でもそんな愛を注ぎたくなる何かがある…それがプロレスなんですよね。



ラベル:プロレス 漫画
posted by ばば at 02:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かに プロレスは愛が無ければ

レスラーの方々だって 技を受けていられないし

お客さんだって 試合の中に何かを見つけられないですよね
 やはり 良い所取りの武藤さんは

何だかんだいって ミスター・ラブなんですね

かなりの尊敬に値します

そして

もう一人の ミスター・ラブプロレス

小橋建太選手も 最高です
Posted by 豪鬼 at 2010年11月29日 14:50
小橋は「プロレスと結婚した男」とまで言われましたからねw
そんな大袈裟な言葉がぴったりハマるくらいに
小橋のプロレスへの想いは凄まじいものがあります。
ガンを克服できたのはプロレスがあったからに違いない、とファンに思わせることができる小橋は
存在そのものがプロレスといっても過言ではないかもしれません。
Posted by ばば at 2010年12月05日 18:48
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